新都市社会技術融合創造研究会を開催 新都市社会技術融合創造研究会(委員長・大西有三京都大学大学院工学研究科教授)は 1月20日、大阪市中央区の大阪キャッスルホテルで第10回委員会を開いた。会議では2 月27日に大阪市中央区の建設交流館グリーンホールで開催する「第3回新都市社会技術 セミナー」のほか、プロジェクトチームの活動や今後の方針、新しく立ち上げたワーキ ンググループについて意見交換した。 同研究会は、社会資本の整備、維持、管理に関わる産・学・官の連携・協力による新し い技術の研究・普及などに関する事業を行い、都市再生と地域連携による経済活力の回 復に貢献し、国民生活の質の向上、安全で安心出来る暮らしの確保、環境の保全・創造 に寄与することを目的に2003年3月に設立したもの。
事務局を道路保全技術センター(大阪市中央区谷町2−1−22)に置き、委員会には京都大学大学院や大阪市 立大学大学院の工学研究科教授をはじめ、近畿地方整備局、日本道路建設業協会関西支部、日本土木工業協会 関西支部、建設コンサルタンツ協会近畿支部が参加している。 《4つのプロジェクトが終了》 プロジェクトは現在、02年度に設立し、今年度で終了する「透水性舗装の現状把握及びそれの各種都市環境へ の環境評価手法の確立」など4つに加え、「橋梁のコスト縮減の構造に関する研究会」など3つのプロジェク トが進行中。会議終了後に記者会見した大西委員長は、終了する4つのプロジェクトにふれ、「産・学・官が うまく連携した3年間だった。各成果については改めて公表し、一般の人からも評価していただきたい。やは り3年間で研究成果をまとめるというのは難しいと感じた。やり残した部分については、来年度以降の課題に したい」と語った。 各プロジェクトの概要は次のとおり。 ▽透水性舗装の現状把握及びそれの各種都市環境への環境評価手法の確立=今年度に終了。ヒートアイランド 抑制効果、洪水抑制効果、耐久性計測結果について大きな成果を得る。これまで得たデータを元に新しいプロ ジェクトを検討中。 ▽ITSを活用した道路交通ネットワークの高度化に関する研究=今年度に終了。市街地エリアにおける駐車 場場所のモニタリングで信頼性や満足度を得る。また、狭いスペースを有効利用する交通マネジメントに関す る研究など進める。新プロジェクトを検討中。 ▽既設構造物の延命化技術に関する研究=今年度に終了。技術フロー図としてまとめ、最終的には補修補強工 法選定システムや調査法選定システムの構築を目標としている。 ▽インフラ資産評価・管理の最適化に関する研究=システムは完成し、プロジェクトも完了した。国道2号バ イパスにおける橋梁の健全性を確保し、安全にサービスを提供するためのアセットマネジメントシステムを構 築。 ▽橋梁のコスト縮減の構造に関する研究会=高橋脚を有する谷間部の橋梁、一般高架橋のコスト縮減について 各方面から検討。最終的に来年度に取りまとめる。 ▽排水性舗装混合物のリサイクル技術の研究=今後、再生骨材を使用した排水性舗装の試験施工、残物を試料 とした有効利用方法の開発研究、徹底方法改善策の検討を行う。 ▽道路トンネルの健全性評価に関する研究=ひび割れに関するモニタリング技術の情報収集や維持管理情報の データベース化(3次元視覚化など)を進め、劣化予測手法を確立する。 《2月27日建設交流館でセミナー開催研究成果を公表》 なお、2月27日に建設交流館グリーンホールで開く「第3回新都市社会技術セミナー」は、産・学・官の連携 で都市と地域の未来をひらく―をテーマに、4つのプロジェクトチームの研究成果を公表するもの。京都大学 の田畑修教授が「小さな機械が創る大きな機会」と題して特別講演、神戸大学工学部建設学科の川谷充郎教授 が講評を行う。時間は午前9時30分から午後5時15分。申し込みは2月17日まで。用紙はホームページ http://www.kkr.mlit.go.jp/road/shintoshikenkyukai/からダウンロードできる。参加費は無料。 問い合わせは道路保全技術センター近畿支部(電話06-6944-9831)。
【写真は会見する大西委員長】