都市再生へさらに拍車 “新しい顔”づくり本格化 都心に残された最後の1等地、大阪駅北地区の都市再生が動き始めている。大 阪駅北地区において、その都市機能の中核となる知的創造拠点の形成、ナレッ ジキャピタルの実現を目指す都市再生機構では、昨年3月末に鉄道建設・運輸 施設整備支援機構用地の1部約3haを取得、6月には第一期地区の8.6haにお いて「大阪駅北大深東地区土地区画整理事業」の事業計画認可を国土交通大臣 より得て、10月には着工記念式典を開催するなど、関西経済再生の起爆剤とし て注目を集める新しい大阪の顔づくりへ、その動きが本格化しようとしてい る。 1日約250万人が行き交う、西日本最大のターミナルに面したJR大阪駅北側 に位置する梅田貨物駅(梅田北ヤード、約24ha)の再開発では、このうち東側 約7haを第1期先行開発区域とし、そのゾーニングは、北側から格調高いまち なみを形成するハイグレードなホテルや住宅を整備するよそおいのゾーン(C ブロック)、最先端のナレッジ(人・情報・技術・知識)が集う知的創造拠点 のナレッジ・キャピタルゾーン(Bブロック)、にぎわいと交流の拠点を形成 するふれあいのゾーン(Aブロック)、大阪の新しい玄関口としてアメニティ 豊かで象徴的な空間を形成する駅前広場ゾーン(大阪北口広場)の合計4ゾー ン。
都市再生機構の役割としては、第1期先行開発区域(約7ha)に国道176号線のアクセス道路部分を加えた約 8.6haの土地区画整理事業の施行、ならびにナレッジ・キャピタルゾーン事業企画コンペの実施をあげ、北地 区の都市再生をリードする。 《大阪駅北大深東地区土地区画整理事業の概要》 平成17年度から22年度の6年間を整備期間とする土地区整事業では、主な公共施設の整備としてBブロックと Aブロックの境界を東西に走り、国道176号線や茶屋町方面からの人の流れを誘導する“賑わい軸”の役割を 果たす「大阪駅北1号線」、Aブロックと大阪北口広場の西側を南北に連絡し、地区の“シンボル軸”となる 「大阪駅北2号線(幅員40mのうち20m)」、さらに「大阪北口広場(約1.0ha)」をあげている。1号線で は、幅員40mのうち、車道は四車線で、11mのゆったりとした広い歩道を左右に配置し、魅力ある街路空間を 演出する。 北口広場では、JR新北ビルと北地区を結ぶ大阪駅の新しい玄関口として人の動線を誘導する。 《ナレッジ・キャピタル・コア施設入居希望者募集結果》 都市再生機構と大阪市が昨年10月24日から共同で実施した同募集の結果、選定された登録事業者は35件で、う ち10件の推薦事業者は次の通り。 推薦事業者A ▽大阪市▽国立大学法人大阪大学▽国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 推薦事業者B ▽学校法人上田学園▽学校法人大阪工大摂南大学▽ジョブ・クローバー(株)▽デジタルファッション(株) ▽(株)ナスピア▽松下電器産業(株)▽リッジクリエイティブ(株) 《大阪駅北地区先行開発区域A・B・Cブロック開発事業者募集方法の概要》 都市再生機構と鉄道建設・運輸施設整備支援機構が共同により実施する開発事業者(土地購入希望者)募集を 2月から開始する予定。募集・選定の手順は一体的なまちづくりと、優良なナレッジ・キャピタルの実現を両 立させることを目的にA・B・Cブロック一体共同募集(Bブロック先行二段階選定方式とする。 今後のスケジュールは募集要領の配付を今月下旬から開始、2月に申込者、4月に提案を受け付け、予備審査 後にBブロック事業企画審査を行い優秀案を選定後、6月以降に予備審査合格者によるA・Cブロック再提案 を受け付け、秋頃に優秀案を選定する予定。
【写真上は大阪駅北地区の現況(05年12月12日撮影)、写真下は昨年10月29日に行われた着工記念式】