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鹿島、シールド機内側から交換可能なディスクローラーカッターの交換技術を開発

シールド機内側から交換可能!ディスクローラーカッターの交換技術を開発
~最大深度100m・最高水圧1MPaの地質条件でも、安全かつ迅速に作業実施~
  鹿島(社長:押味至一)は、2002年に当社が開発した「リレービット工法(

■開発の背景
  リレービット工法は、泥土圧式・泥水加圧式のいずれのタイプのシールド工法でも補助工法を必要とせず、“いつでも、どこでも、何回でも”シールド機内側からカッターを交換できる技術として、これまでに数多くのシールド工事にて適用されています。
  近年、大深度・高水圧下の硬質地盤における長距離トンネルの構築ニーズが増大しており、シールド工法による高速施工を実現するため、大型のディスクローラーカッターを安全かつ迅速に、任意の場所で交換できる技術の確立が求められています。しかし、高水圧が作用する大深度地下における硬質地盤でのディスクローラーカッターの交換は、耐久性や止水性、作業安全性確保の観点から難易度が高く、これまで施工実績はありませんでした。
  そこで鹿島は、川崎重工業株式会社の協力を得て、既存のカッター交換技術である「カッターホルダースライド方式」を用いた、ディスクローラーカッターの交換技術を開発しました。これにより、先例のない大深度・高水圧下の硬質地盤でも補助工法を必要とせず、シールド機内側からディスクローラーカッターを安全かつ迅速に交換できるようになりました。

■ディスクローラーカッター交換技術の特長
  大深度・高水圧下の硬質地盤での、カッター交換時にかかるカッターホルダーへの負荷を最小限に抑えるべく、カッターホルダースライド方式を採用しました。摩耗したディスクローラーカッターを油圧ジャッキによってカッターホルダーごとカッタースポーク内へ引き込み、シールド機内側へカッターホルダーを取り込む構造です。従来の回転方式と比べ、カッター交換時における土砂の流入を最小限に抑えることができるため、カッターホルダーにかかる負荷を抑制し、耐久性を高めます。
  カッターホルダー引込み後に、カッタースポーク内に設置された止水ゲートを閉めることにより、切羽前面からの地下水の流入を防ぎます。さらに、カッターホルダーに止水シールを貼付することによって、ゲート開閉時の止水性を補完します。また、カッターホルダーに抜出防止ピンを取り付けることで、ゲート開閉時のカッター交換作業を安全に実施することができます。

  *参考資料は添付の関連資料「参考資料2」を参照

  本技術を適用することにより、1日に約4箇所のディスクローラーカッターを交換することが可能です。補助工法を必要とする従来のカッター交換と比べて、大幅な工程短縮と工事費縮減に繋がるだけでなく、カッターの摩耗によるシールド機の掘進停止リスクを回避できます。
  また、カッターホルダーに内蔵された摩耗計測器や回転検出器のデータを基に、ディスクローラーカッターの交換計画を策定することができ、カッターの交換回数を最小限に抑えられることも特長の一つです。
  なお、長距離シールド工事では、岩盤などの硬質地盤から、砂質土や粘性土地盤といった未固結地盤までの土質変化が想定されます。粘性の高い地盤をディスクローラーカッターで掘進すると、掘削土の付着によりカッターの回転が妨げられ、偏摩耗により掘進困難となる可能性があります。しかし、掘削地盤に合わせてディスクローラーカッターを先行ビット(

■今後の展開
  今後鹿島は、更なる大深度化、長距離化が見込まれる都市部のシールド工事だけでなく、大深度・高水圧下の岩盤や巨礫・玉石混じり地盤といった厳しい施工条件が想定される山岳部において、積極的に本技術の適用を提案してまいります。

  ※1  鹿島の土木技術  シールドトンネル技術  「リレービット工法」
          http://www.kajima.co.jp/tech/c_shield_tunnel/inherent/index.html#!body_01
  ※2  地山を先行して切り崩すカッタービット

鹿島建設(株)

http://www.kajima.co.jp/

*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。