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鹿島、高速道路トンネル出口ランプ部を「アポロカッター工法」にて施工開始

高速道路トンネル出口ランプ部を「アポロカッター(R)工法」にて施工開始!
~非開削工法で地上部への影響や地盤変状を最小限に~
  鹿島(社長:押味至一)は、大阪府堺市で施工中の阪神高速大和川線常磐工区開削トンネル工事において、本線開削トンネルに接続する出口ランプ部を非開削で構築するため、矩形シールドマシン「アポロカッター」を用いた施工を開始しました。今後、安全・品質に十分注意しながら掘進を進めます。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像1」を参照

<常磐工区開削トンネル工事>
  大阪都心部の「新たな環状道路」として整備が進められている大和川線は、全長約9.7kmの自動車専用道路です。本工事はこのうち、堺市北区常磐町にて、最大掘削幅が38m、最大掘削深さが38mの本線開削トンネル350mと、出入口ランプ部376mを構築するものです。
  今回の施工では、出口ランプ部の構築において地上部の生活道路に与える影響を最小限に抑えるため、さまざまな課題を克服する必要がありました。当初、出口ランプ部は開削工法による構築を予定していましたが、生活道路の定常的な通行止めが発生するなど近隣住民の方々への影響が大きいため、非開削工法による構築に変更され、矩形シールドマシン「アポロカッター」が採用されました。
  立坑部から小土被りで発進し、下り8%の急勾配で本線開削トンネル部の土留め壁に併走しながらの掘進となるため、地上部の影響を最小限に抑えるべく、これまでにも実績がある沈下抑制充填材「ボイドキーパー」を採用し、地盤変状の抑制と線形精度の確保を重点に、掘進管理を実施していきます。

<アポロカッター工法の採用>
  一般的なシールド工法では円形のマシンが多く用いられていますが、今回必要なトンネル空間を得るためには掘削断面が大きくなり、当工事区間では適用できませんでした。そこで、掘削断面を最小限にしつつ、必要なトンネル空間を構築可能な矩形シールドマシン「アポロカッター」を採用しました。アポロカッター工法は、矩形だけでなく任意の断面形状で掘削することができ、カッターヘッド、揺動フレーム、公転ドラムの3点で構成する掘削機構は、カッター位置の高度な制御により、精度の高い掘削断面の確保を実現します。また、従来の大断面シールドに比べてカッター部分が小さく、高速で回転するため、地盤改良体や改良土等の硬質な地盤においても良好な切削性を発揮し、安定したシールド掘削が可能です。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像2」を参照

<沈下抑制充填材「ボイドキーパー」の採用>
  シールド工法で地山を掘削する場合、オーバーカット(約5~20mm)と呼ばれる余掘り部を伴って掘進するため、地上部の生活道路などに対する地盤変状を最小限に抑える対策が必須です。
  今回採用した、シールド機からマシン外周部に充填注入して、地山を保持する沈下抑制充填材「ボイドキーパー」は、これまで数多くの現場で採用され、実績を上げてきました。当工事では、2液型の充填材を掘削直後のシールド周囲に現地で混練りし、注入します。オーバーカット部に注入した充填材は、シールド通過中は塑性流動性を維持して掘進を妨げず、またシールド通過後は地山と同程度以上の強度を確保することができます。今回施工部の地盤変状の抑制、特に小土被り部でのシールド余掘り部の確実な充填に大きな効果を発揮します。

<今後の展開>
  鹿島は、今後ますます複雑化する都市部の地下空間構築に向け、今回のアポロカッター工法をはじめとした鹿島の矩形シールド・推進工法のラインナップ「VERSATILE  BOX工法※」により、小断面から大断面まで、都市部の様々な地下空間構築のニーズに応える合理的な工法を提案し、確実な施工を実現していきます。

  ※VERSATILE:多芸な、多方面にわたるBOX:函体

<常磐工区開削トンネル工事  工事概要>
  工事名:常磐工区開削トンネル工事
  工事場所:大阪府堺市北区常磐町1丁~同町2丁付近
  工期:2008年6月17日~2017年11月30日
  事業者:堺市
  発注者:阪神高速道路株式会社
  施工者:鹿島・飛島建設工事共同企業体


鹿島建設(株)

http://www.kajima.co.jp/

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