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清水建設、ICTを活用したダムコンクリート締固め管理システムを開発

ICTを活用したダムコンクリート締固め管理システムを開発
~計測データを基に、締固めの完了判定を最適化~
  清水建設(株)<社長  井上和幸>はこのほど、バイブレータ付きバックホウ(バイバック)によるダムコンクリートの締固め作業の精度向上を目的に、ICTを活用した締固め管理システムを開発しました。本システムの特徴は、バイバックに装備した3Dスキャナと油量センサを用いて、コンクリート打設面の平滑度と、バイブレータの油圧管を流れる作動油量を検知し、締固めの完了判定に利用することです。これにより、従来は、重機オペレーターの経験に委ねられていた締固めの完了判定を定量的に行うことが可能となり、ダムコンクリートの一層の品質向上が図れます。

  コンクリートダム施工の要諦を成すのは、建設コストの6割を占めるコンクリート工事の品質管理です。高品質なダムコンクリートを構築するには、骨材とセメントを均一化させるため、打設時の締固めを確実に行う必要があります。この作業には、バックホウに複数の油圧バイブレータを装着したバイバックと呼ばれる重機が用いられ、従来は、重機オペレーターが打設面の性状変化を視認しながら、作業完了のタイミングを判断していました。この判断を的確に行うには一定の経験を要する一方、近年は熟練オペレーターが減少傾向にあり、経験的判断に代わる新たな施工管理手法が求められていました。

  そこで当社は、ICTで計測した客観的なデータを基に、作業完了の最適なタイミングを定量的に判定する締固め管理システムを開発しました。本システムでは、締固めの完了判定の指標として、打設面の平滑度と、バイブレータの油圧管を流れる作動油量を併用し、両指標が完了基準に達した時点で完了判定を行います。打設面の平滑度については、運転席上部に設置した3Dスキャナで打設面の点群データを計測、基準面との高低差が閾(しきい)値内に収まる座標点が一定割合に達した段階で完了とします。作動油量については、油圧管に取り付けた油量センサで、締固め作業の進捗に伴い変化する油量の動きを検知、計測データが一定値に収束し始めた段階で完了とし、回転灯の点灯表示でオペレーターに通知します。回転灯が点灯した時点で作業を完了することにより、経験の少ない重機オペレーターでも熟練者と同等の作業精度を確保することが可能になります。

  また、本システムには、締固め判定機能のほか、GNSSを活用した高精度位置計測システムも装備しており、施工位置情報、締固めの判定結果、施工時刻のデータを一元管理することで、施工のトレーサビリティも担保できます。

  当社は、ダムコンクリートの一層の品質向上、ならびに、国土交通省が主導する建設現場の生産性向上の取り組み“i-Constructio”の推進に向けて、本システムを自社施工のダム現場に順次展開していく考えです。
以上
≪参考≫

  

清水建設(株)

http://www.shimz.co.jp/

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