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竹中工務店、電力システム改革に適合したエネルギーマネジメントシステムを開発し導入

電力システム改革に適合した新しいエネルギーマネジメントシステムを開発し初導入
-マルチ電源を最適に活用する最先端のリアルタイム制御を実現-
  竹中工務店(社長:宮下正裕)は、電力システム改革後に想定されている多様な料金メニューに対応して電力デマンドを最適に制御することが出来る新しいエネルギーマネジメントシステム「I.SEM(アイセム)(注1)」を開発し、関連会社TAKイーヴァックの新砂本社ビル(東京都江東区)に初導入しました。

  「I.SEM」とは、建物の負荷予測を行い、熱源や空調機器などの運転を最適に計画し、計画通りの電力デマンドを達成する、最先端のスマートなエネルギーマネジメントシステムです。マネジメント機能を、当社が開発したクラウド活用の情報プラットフォーム上に構築することで高速処理が可能になったことや、初めてパーソナル対応のデマンドレスポンスを負荷予測に加味したことで、最先端のリアルタイム制御を実現しています。
  これにより、予測から運転までを一貫して高精度・高効率で行うことが出来、計画通りの電力デマンドを達成することで多様な料金メニューに対応します。

  従来までも、個別の予測システムや制御システムはありましたが、各種の個別システムをクラウド上に構築してトータルに制御するマネジメントシステムの実用化は初めてです。

(注1):I.SEM(アイセム)
  I.Smart  Energy  Managementの略称。「I」は、Interconnection,Interoperability,Interface,Interactionなどの意味を示し、クラウドシステムが様々なハードウェア、ソフトウェアを繋いで連携するコンセプトを表現しています。
【エネルギーマネジメントシステムI.SEMの構成】

  *参考資料は添付の関連資料「参考資料1・2」を参照

  今後は、「I.SEM」を初導入した「TAK新砂ビル」での実証データの蓄積を行い、さらにシステムの充実を図るとともに、オフィスビルを始め、集合住宅や学校、大型ショッピングセンター、駅ビルなどのエネルギーマネジメントとBCPニーズの高い建物に提案していきます。
【「I.SEM」導入のメリット】
〔1〕電力単価の高い時間の購入抑制、割安な電力メニューへの対応、事前に想定した買電計画どおりのデマンド調整等を実現し、電力自由化後に想定される多様な料金体系への対応を可能にします。これにより、電力コストを低減します。

〔2〕停電時には、太陽光発電や発電機の電力を建物に供給することが可能で、BCP・LCP対策としても有用です。
【竹中が提案する「I.SEM」の特長】
  当社の「I.SEM」は、以下の4つの特長を有しています。

〔1〕パーソナル対応デマンドレスポンスを加味した「負荷予測システム」
  電力負荷と熱負荷を±5%で予測するエンジンに、居住者の意向を反映させるパーソナル対応デマンドレスポンスを加味してシステム化したことで、居住者に不満のない環境での高精度な負荷予測を実現しています。

〔2〕複雑な熱源やEVを考慮して電力調達を計画する「最適運転計画システム」
  電気熱源やガス熱源、蓄熱などの複雑な熱源機器とEV充電のスケジュールを、コストや省CO2などの目的に合わせて最適化し、電力調達の計画値を決定します。必要な分析機能を、当社が開発した情報プラットフォーム"ビルコミ(R)"(注2)に構築することにより、高速かつセキュアなシステムを提供しています。30分単位の計画値に対して電力デマンドを±3%に制御していますが、更に短い周期でのデマンド対応力へのポテンシャルを有しています。

〔3〕太陽光発電や発電機など多様な電源を最適にコントロールして空調や照明と統合して電力デマンドを制御する「リアルタイム制御システム」
  リアルタイム制御の中核をなすのが新たに開発したMSEG(multi-source  energy  gateway:エムセグ)です。MSEGは、パワーコンディショナー機能(PCS)とバッテリー機能を一体化したコンポーネント(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による助成を受け開発(注3))を制御するシステムです。太陽光発電、発電機、電気自動車など最近のビルに採用されているさまざまな分散型電源を統合して、効率よくビルの電力デマンドをリアルタイムに調整します。

〔4〕停電時には多様な電源を活用して自立運転を行う「MSEG」
  MSEGは分散型電源を活用して停電時の自立運転が可能です。MSEGは、これらの機能を初めてパッケージ化したことでイニシャルコストを低減し、施工性を向上させるなど提案時の商品性を高めました。

(注2):ビルコミ(R)とは
  建物内の空調や照明、各種センシングなどの設備システムをネットワークでつなげ、そこで交わされる情報をクラウドで統合するプラットフォームです。クラウド化することで拡張性が高く、高速処理が可能になります。今後はビッグデータ活用にいち早く対応し、サービスレベルの向上を図ります。

  ※ビルコミ:(http://www.takenaka.co.jp/news/2015/06/05/index.html
ネットワークおよびクラウドインフラは、NTTコミュニケーションズ株式会社のArcstar  Universal  OneおよびCloudnを活用しています。

(注3)平成26~27年度、戦略的省エネルギー技術革新プログラム、
共同実施者:株式会社アイケイエス

(株)竹中工務店

http://www.takenaka.co.jp/

*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。