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鹿島、熊本県に遮水機能を備えた公共関与管理型最終処分場「エコアくまもと」を建設

設計から維持管理まで、最先端の遮水機能を備えた最終処分場を建設
-斜め柱式覆蓋構造、階段型集水ピット他を備えたクローズド型最終処分場「エコアくまもと」-
  鹿島(社長:押味至一)は、設計施工一括発注方式にて受注した熊本県公共関与管理型最終処分場(名称:エコアくまもと)建設工事において、設計段階で斜め柱式覆蓋構造や階段型集水ピットを提案し、また遮水シートの保護機能を充実させるとともに、万一の漏水に対して漏水検知システムを設置するなど、最先端の遮水機能を備えることで、漏水による地下水汚染を回避する最終処分場(クローズド・無放流型)を建設しています。今後、本工事で得たノウハウを活かして、周辺環境に配慮した、より安全性が高い最終処分場の実現を目指し、積極的に提案していきます。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像1」を参照
■背景
  最終処分場の建設に当たっては、環境保全はもとより、周辺環境へさらに配慮し、地域に受け入れられる施設とする必要があります。特に本処分場の周辺地域では、地下水が豊富で井戸水が生活用水として用いられていることから、住民の方々は地下水が汚染されるのではないかと大きな不安を抱いていました。この不安を払拭するために、優れた遮水性を備えた安全・安心な施設の建設・運営が求められました。
■鹿島独自の技術・工法(概要)
◆底面部に柱がなく、遮水性に優れた覆蓋構造
  クローズド型最終処分場には覆蓋と呼ばれる大きな屋根が必要です。鹿島は、この屋根を支える柱を、特に浸出水が集まる底面部に配置すると、遮水上の弱点になることに着目しました。そこで大屋根を、大スパンのトラス桁とこれを外柱でも支える外殻構造とすることで中柱の本数を減らし(基本設計時34本→8本)、同時に斜めの中柱とすることで底面部から柱をなくし、遮水性を格段に向上させました。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像2」を参照

◆階段型集水ピットにより維持管理中の漏水を未然に防止
  従来、浸出水は地山内に埋設された導水管によりマンホール状の集水ピットへ集められていましたが、漏水の発見が遅れ、導水管の補修が難しいなどの課題がありました。そこで、集水ピットを法面部に沿わせる形とし、さらに内部に階段を配した構造とすることで点検が容易となり、また補修等の維持管理により漏水を未然に防止できるようになりました。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像3」を参照

◆充実した遮水シートの保護機能
  本処分場の遮水工は、埋立期間15~20年と安定化期間15~20年(見込)を合わせて30~40年という長期に亘って遮水性能を維持するため、底面部では二重の遮水シートとベントナイト混合土による多重遮水構造となっています。

  鹿島では、これに加えて  1)ベントナイト混合土の下層にコンクリート層を設けてベントナイト混合土を十分に締固める  2)遮水シートの上下面に不織布を設置し、シートを保護する  3)二重の遮水シート間に中間保護土層を設け、上下のシートが同じ原因で同時に破損される事態を防止する  4)最上部にセメント系安定処理土層を設け、保護土の洗掘を防止する  5)中柱と法面の接合部では、工場で一体化した遮水シート成形品を用いることで複雑な接合部での漏水リスクを低減する、などの工夫により、遮水シートを確実に施工し保護しています。

  *参考画像は添付の関連資料「参考画像4」を参照

◆漏水検知システムによるモニタリングにより、万一の漏水に対応
  漏水検知システムでは測定電極の平面配置間隔を短く(基本設計時5m→2m)し、二重の遮水シートの上下に印加電極を設けることで、誤差1mの範囲内でどのシートのどの場所から漏水しているかを検知し、早急な対応を可能としています。

  
■今後の展開
  今後の最終処分場は、安全・安心な施設であるばかりでなく、長期間に亘り運営・維持管理され、地域から受け入れられる機能を持つことが求められます。本工事で得たノウハウをさらに発展させ、それらを鹿島の技術として積極的に提案していくことで、持続可能な循環型社会の構築に貢献してまいります。
■工事概要
  工事名:熊本県公共関与管理型最終処分場建設工事
  工事場所:熊本県玉名郡南関町下坂下1953
  発注者:公益財団法人熊本県環境整備事業団
  設計・施工者:鹿島・池田・興亜・岩下特定建設工事共同企業体
  工期:2013年7月~2015年9月
  工事諸元:
    埋立面積31,121m2、埋立容量422,349m3、総面積118,679.26m2、
    埋立期間15~20年

  ※詳細設計終了時点

鹿島建設(株)

http://www.kajima.co.jp/

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