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パスコ、航空レーザー測深機を導入し災害対策などの分野で活用推進

水中(河床・浅海底)地形を航空レーザ測深機により詳細に把握
地上の三次元データと融合し、災害対策・環境保全・安全管理への活用を目指す
  株式会社パスコ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長目崎  祐史(◇)、以下:パスコ)は、人工衛星や航空機(UAVを含む)、計測専用車両、測量船などを活用し、地球上のあらゆる形状を多角的に、広範に、そして高精度に計測する空間情報の収集技術を常に高めています。
  この度、国内民間企業としては初めて航空レーザ測深機(ALB:Airborne  Laser  Bathymetry)を導入し、河床地形のほか、水深の浅い海底地形を上空から効率的に計測する技術を生かし、災害対策や環境保全、安全管理の分野での活用を推進します。

  ◇社長名の正式表記は添付の関連資料を参照
■水中地形の計測手法
  水中地形を把握する測量技術は、測量船に音響測深機を取り付け、発射する音波の反射時間を計算して水深に換算する計測手法が主流です。パスコにおいても本計測技術を保有し、海底や河床、湖底の地形測量において、その能力を発揮しています。
  しかし、測量船が進入できない浅瀬や岩礁エリアの水中地形を効率的に、安全に、かつ高精度に計測することが大きな課題でした。この度導入するALBは、これらの課題を解決する技術として期待されています。
■ALBの紹介
<システムの概要>
  ALBは、陸上部と水面を計測する近赤外レーザ(波長1,064nm)と水中部を計測する緑色レーザ(波長532nm)を同時に照射し、水面反射するパルスの往復時間と、水を透過し水底で反射するパルスの往復時間差から水深を算出して、陸上部と同時に水中部の三次元座標を計測するシステムです。
  また、同時に高解像度デジタル航空カメラでの撮影も行うため、3次元情報と共に、フルカラーおよび近赤外画像データの取得も行います。
  
<システムの特徴>
  水中部では、水深数10m程度(水質により異なる)の深さまでを上空から計測できるため、河川や海岸線の浅瀬や岩礁エリアなどを効率的に計測することに適しています。また、航空機からレーザを楕円状に斜めに照射するため、計測ポイントの精度と密度の向上を実現しています。
  また、測量船の計測範囲に対して、数倍の範囲を一挙に上空から計測し、さらに地上部と水中部の同時計測により三次元地形モデルをシームレスに統合することができます。

  
■活用分野
<河川管理と災害対策>
  河川の維持管理を目的として、定期横断測量が5年以内のサイクルで行われています。横断測量は直接作業員が現地に立ち入る実測によって行われ、200m間隔に陸上部と水中部を連続的に断面として計測します。また、水深の計測には音響測深機、浅い場合は測深棒が用いられています。
  こうした従来の手法に対して、ALB適用分野が拡大することで、将来的に短期間で安全性の高い測量が可能となります。さらに、洗掘や堆積の状況などの詳細な地形データを面的に、広範囲に計測できることから、水理解析手法による詳細な解析・評価を可能とし、河川氾濫等の対策に活用できます。
<土砂流動モニタリングと環境保全>
  河川からの土砂流出や海岸線の浸食による土砂流動によって砂浜は形成されています。昨今、砂浜の減少・消滅が大きな環境問題となり、保全や新たな砂浜形成のための対策が講じられています。
  こうした状況において、ALBを活用して河口から海岸線沿いの浅海底地形を計測することで、土砂流動のモニタリングが可能となります。ヘッドランドや離岸堤による対策から、施工後の効果測定など、「防護」に加え、「環境」と「利用」の調和のとれた海岸づくりの重要な基礎情報として活用できます。

<港湾管理と安全管理>
  港湾施設や防波堤などの海上構造物と港湾内の海底地形は別々の手法によって計測されています。海上構造物沿いの深浅測量には測量船に搭載した音響測深機が利用されていましたが、波風の影響により危険を伴う作業でした。
  こうした状況において、ALBを活用することで、地上から海底までをシームレスに三次元計測することで港湾施設の維持管理や船舶の安全な航行管理に活用できます。
■本件に関するお問合せ先
  (お客様)カスタマーセンター  TEL:0120-494-800
  「お問合せフォーム」  http://www.pasco.co.jp/contact/


(株)パスコ

http://www.pasco.co.jp/

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