トップページ  ▶プレリリース  ▶大成建設、東...

大成建設、東大や5社と共同で覆工コンクリートの給水養生工法を開発

覆工コンクリートの給水養生工法『キュアマイスター』を開発
覆工コンクリートの耐久性と表面の美観を向上
  大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、東京大学生産技術研究所(岸利治教授)ほか5社(
  (1)トンネル天端部分では2種類の特殊養生マット(覆工コンクリート側に「特殊薄膜不織布」、トンネル内空側に「特殊凹凸マット・不織布」)を用い、両マットで多数の孔の空いた給水管を挟み込むように配置します。
  (2)トンネル側壁部分では天端部分で使用した「特殊凹凸マット・不織布」をそのまま連続して使用し、覆工コンクリート面を覆うように配置します。
  (3)これらの特殊養生マットの配置後に、空気で膨らむバルーンによる抑え部材を用いて、トンネル内空側から特殊養生マットを覆工コンクリート面に押し付け、給水管を介して給水します。
  

  本工法の適用により、トンネル天端部分から側壁部分まで、覆工コンクリート表面に養生水を均一に給水、分散させることが可能となります。
<特徴>
  (1)特殊養生マットの凹凸形状により水の流速を低減・分散して供給でき、不織布による保水性の効果と併せて、覆工コンクリート表面に均一に水分を供給し、効率的に給水養生します。
  (2)給水システムでは給水量を制御しながら、従来の約半分の給水量で天端部分および側壁部分に無駄なく少量ずつ分散して給水します。
  (3)特殊養生マットの設置は、予め給水管が取り付けてあるロール状の特殊養生マットをトンネル内空部に設置した架台をガイドにして、トンネル天端部分から側壁部分に向かって延して広げるだけで実施でき、作業性に優れています。
  (4)特殊養生マットは高耐久性材料を使用しているため、強度と耐久性、しなやかさを併せ持ち、1回あたり養生面積を約200m2とする場合、100回以上繰り返し使用することが可能です。
  

  今後は、覆工コンクリートの給水養生工法として有効性が確認できたため、国内のトンネル建設工事に本工法を積極的に提案し、適用を図ってまいります。
  
  ※1  他の共同研究先は、以下の5社です。
    日豊株式会社(社長:野崎正和)、株式会社東宏(社長:小林雅彦)、国際紙パルプ商事株式会社(社長:田辺  円)、宇部エクシモ株式会社(社長:渡邊史信)、有限会社テクノ世紀(社長:谷  徹哉)

  ※2  特殊薄膜不織布
    特殊薄膜不織布は、表面の格子状に織り上げた樹脂製フィルムと不織布を組み合わせています。覆工コンクリート天端部分に対して、コンクリート表面に隙間なく貼り付け、養生水を確実に給水することができます。また、不織布の撤去時には、一般的な不織布と比較し、コンクリート表面からはがしやすく、破れにくいため、作業性が向上します。

  ※3  特殊凹凸マット・不織布
    特殊凹凸マットは樹脂製で、マット上に千鳥に配置された円錐台形の突起物と不織布が溶着されています。養生水は、コンクリート表面側に向かって突き出した突起に沿って流れ、突起先端がコンクリート表面に接するため、覆工コンクリート全面に効率的に供給、分散されます。また、特殊凹凸マットは強度と耐久性、しなやかさを持ち、コンクリート面に貼り付けるときにしわにならず、養生に繰り返し使用することが可能です。

  ※4  給水システム
    給水システムでは、天端中央部に3本、側壁部上部に各1本ずつの計5本の給水系統を最適な配置で設定し、給水量を制御して、覆工コンクリート面への均一な給水と養生水の分散を実現します。


大成建設(株)

http://www.taisei.co.jp/

*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。