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日立と日立キャピタル、茨城県神栖市沿岸の5MWダウンウィンド風力発電システムが完成

5MWダウンウィンド風力発電システム「HTW5.0-126」初号機の建設が完了
  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原  敏昭/以下、日立)は、このたび、2012年7月より開発に着手し、2014年5月より茨城県神栖市沿岸の陸上に建設を開始していた5MWダウンウィンド風力発電システム「HTW5.0-126」初号機の建設を完了しました。今後、試運転、パワーカーブ(*1)などの検証・評価を経て、2015年夏に、日立キャピタル株式会社(執行役社長:三浦  和哉/以下、日立キャピタル)と日立の共同出資会社である日立ウィンドパワー株式会社(取締役社長:片岡  淳)に納入し、「鹿島港深芝風力発電所」として商用運転が開始される予定です。

  日本では、低炭素社会の実現をめざした再生可能エネルギーの固定価格買取制度が2012年7月より導入され、太陽光発電所や風力発電所の建設が進んでいます。海に囲まれている日本では、立地場所や景観、騒音などの制約が少ない広い海域を活用した洋上風力発電の導入拡大が期待されており、複数の洋上風力発電所の建設が計画されています。一方で、洋上の風力発電所は、陸上の風力発電所と比較すると1基あたりの建設・運用費用が高く、保守も難しいため、1基あたりの出力が大きく、高い信頼性を有した洋上風力発電システムが求められています。

  今回建設を完了した「HTW5.0-126」は、今後建設が見込まれる洋上風力発電所に向けた大型化ニーズに対応したもので、従来製品である2MW級風力発電システムと比較して、定格出力が約2.5倍の5MW、ローター直径が約1.5倍の126mとなる風力発電システムです。
  従来製品と同様に、ローターを風下側に配置する日立独自のダウンウィンド方式であり、暴風時にもローターが横風を受けない向きを保持し、風荷重を低減することが特長です。また、新たに開発した永久磁石同期発電機と中速増速機を組み合わせることで、出力に対してシステム全体の軽量・コンパクト化と信頼性の向上を図っています。これにより、基礎工事や浮体工事の費用低減(*2)や、より高い安全性が期待できます。
  また、ナセルを効率的に冷却する構造と、スリムで景観に配慮したデザイン性の両立が高く評価され、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2014年度グッドデザイン賞」を受賞しています。

  なお、「HTW5.0-126」は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「風車部品高度実用化開発」助成金の交付を受けて開発した中速ギヤドライブトレイン(*3)の技術を採用しています。

  日立は、これまで2MW級風力発電システムを国内に97基納入しています。また、将来の市場ニーズに対応するため、経済産業省や環境省が実施している浮体式洋上風力発電の実証事業に参画しているほか、低風速域や高風速域に対応した2MW級風力発電システムも開発し、初号機の建設を開始しています。

  日立キャピタルは、2015年度中期経営計画において、風力や太陽光などの再生可能エネルギー事業の総発電容量を累計350MWまで拡大させる目標を掲げており、日立キャピタルの金融ソリューションに日立グループの高性能で信頼性の高い発電システムを組み合わせたソリューションを一括提供しています。日立キャピタルの再生可能エネルギー事業の総発電容量は累計254MW(2015年3月末)となる見込みです。

  日立と日立キャピタルは、今後も拡大が見込まれる風力発電分野で積極的に事業を展開するとともに、社会インフラを支えるエネルギーソリューションの提供を通じて、低炭素社会の実現に貢献していきます。
■HTW5.0-126

  
■HTW5.0-126初号機の主な仕様
  ・項目
    型番:HTW5.0-126
    定格出力:5MW(5,000kW)
    ローター直径:126m
    ハブ高さ:約90m
    ブレード枚数:3枚
    ローター位置:ダウンウィンド
    ヨー制御:
      通常運転時:アクティブ制御
      暴風停電時:フリーヨー
    発電機種別:永久磁石同期発電機
    カットイン風速:4m/s
    カットアウト風速:25m/s
    風速クラス:IEC-Class  S(年平均風速10m/s)

  *1  風速と発電出力の相関データ。
  *2  設置海域の水深、地盤の状況により、採用可能な工法は異なります。
  *3  ハブ・増速機・主軸・発電機から構成される、風のエネルギーを電気エネルギーに変換するシステム。
以上

(株)日立製作所

http://www.hitachi.co.jp/

*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。