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鹿島、振動・騒音をコントロールし周辺環境に優しい制御発破方法を確立

高度な制御発破により周辺環境に優しい発破掘削を実現
住宅地に近接した2現場で振動・騒音をコントロール
  鹿島(社長:中村満義)は、秒時現場設定型高精度電子雷管「eDev(TM)II」を住宅地に近接するトンネル2現場での発破作業に適用し、様々なデータを蓄積しながら、高度な制御発破方法を確立しました。
  この制御発破方法で振動や騒音の波形を確実に分離することにより、発破の振動値を低減することはもとより、体感振動・体感騒音までも究極的に抑え、周辺環境に優しい発破掘削を実現します。

  *参考画像は添付の関連資料を参照

  

  新名神高速道路箕面トンネル西工事(大阪府箕面市)では、坑口部付近に民家が点在しているため、周辺住民に対する騒音・低周波音対策が大きな課題となりました。そこで、「eDevII」による制御発破を行い、起爆秒時間隔を短くかつ切れ目なく連続的に設定し、発破の継続時間を1秒程度に抑えるとともに、発生する発破騒音を高周波数帯にシフトさせました。この結果、工事ヤード外の住宅地における低周波音圧レベルが、従来の雷管と比較し4~5dB低減されました。(特許出願中)また同時に、高周波数帯に対して効果が高いとされる、防音扉や防音壁による発破騒音の減衰効果を高めることにもなるため、周辺環境への負荷軽減に極めて効果的であることも確認できました。
■今後の展開
  秒時現場設定型高精度電子雷管「eDevII」は、発破の順序や秒時間隔を現場で正確に制御、修正できる特性を有するため、計測した振動等のデータを次回の発破にフィードバックすることができます。そのため、これまでに適用したトンネルにおいても、それぞれの周辺環境の条件に合った発破順序や秒時間隔を設定し、振動や騒音を低減するノウハウを蓄積しています。
  今後もデータやノウハウの蓄積を継続し、市街地の山岳トンネル工事での周辺環境に配慮した合理的な施工を進めるとともに、振動・騒音の低減だけにとどまらず、掘削時の余掘り低減や長孔発破への応用も視野に入れ、トンネル発破掘削技術の最適化を図っていきます。
■工事概要

(安永川トンネル)
  発注者:豊田市
  工事名:一級河川安永川トンネル新設工事(平和・秋葉工区)
  工事場所:愛知県豊田市秋葉町ほか地内
  工期:2010年9月~2015年2月
  施工者:鹿島・藤本建設共同企業体
  工事諸元:トンネル延長1,860m、掘削工法TBM導坑及びNATM拡幅

(箕面トンネル西)
  発注者:西日本高速道路株式会社  関西支社
  工事名:新名神高速道路  箕面トンネル西工事
  工事場所:大阪府箕面市
  工期:2012年6月~2016年6月
  施工者:鹿島建設株式会社
  工事諸元:トンネル施工延長  上り線2,916m下り線2,895m、掘削工法  NATM掘削

鹿島建設(株)

http://www.kajima.co.jp/

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