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富士経済、インフラ・設備機器の保全マネジメントの国内市場を調査結果を発表

インフラ、設備機器の保全マネジメントの国内市場を調査
―2030年市場予測(2013年比)―
●橋梁の保全マネジメント関連市場  1,544億円(81.4%増)
―常時監視が大幅に拡大し市場をけん引―
●EV充電スタンドの保全マネジメント関連市場  84億円(10.5倍)
―スタンドの設置増加に伴い市場が拡大―

  総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町  社長  清口  正夫  03-3664-5811)は、今後需要の高まりが期待され、また常時監視システムの本格導入により新たな展開が注目される、インフラ・設備機器の保全マネジメント関連市場の動向を調査した。
  その結果を「インフラ・設備機器保全マネジメント関連市場の現状と将来展望  2014」にまとめた。
報告書では、公共構造物分野5品目、電力インフラ分野4品目、生活・都市インフラ分野7品目、エネルギー供給・産業インフラ分野4品目、ビル・商業施設関連設備分野5品目の計25品目を対象に、現状の点検方法、ストックとフロー市場の推移を明らかにし、マンパワーによる点検市場の現状を踏まえて、常時監視システム導入の可能性を検討し、今後の保全マネジメント関連市場を予測した。
  なお、常時監視はセンサやカメラなどを用いて対象物の状態を常に監視し、点検・メンテナンスを効率化するシステム・サービスを対象とし、定期点検は人の目視・巡視を中心とした点検、ロボット・計測車など先端機器を用いた点検に関わる保守サービス(交換部品代含む)、人件費を対象とする。

<注目市場>

●橋梁の保全マネジメント関連市場

  

  橋梁の保全マネジメント関連市場は、2013年に前年比50.4%増の851億円となった。現状では、人による「定期点検」が中心で、センサによる「常時監視」は少ない。しかし、今後は老朽橋の増加やベテラン点検技術者の減少などにより、センサを活用した常時監視が普及するとみられる。
  常時監視には長大橋で採用される大規模タイプと、設置センサ数やデータのサンプリング数の少ない小規模タイプがある。大規模タイプは、点検に手間のかかる長大橋、崩落の危険が高い橋梁、交通量の多い橋梁等に限定されるが、2013年時点で国内の約20箇所で採用されている。国土交通省は、2013年から「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」を設置し、老朽インフラ保全に活用できるセンサ・通信技術の検討を始めている。実証研究により最適なモニタリング技術が選定されることで、2020年以降に普及が進むとみられる。小規模タイプは、研究目的の需要にとどまっており、2013年の実績は僅少である。しかし、大規模タイプに比べ低コストなため、都道府県や市町村での採用も期待され、中長期的には市場拡大が期待される。橋長15m以上で建設後50年を経過する老朽橋は、2030年に8万箇所を超えるとみられ、大規模タイプと小規模タイプを合わせた市場は、2030年に694億円が予測される。
  定期点検は、近年インフラ老朽化への対策が注目され、予算支援も拡大したことで、都道府県・市町村からの発注が増加し、2013年の市場は前年比50.4%増の850億円となった。損傷の大きな橋梁については、対策をとるまでは2年以内の再点検が義務付けられたため、短期的には需要の増加が期待される。ただし、中長期的には、補修工事により点検頻度も落ち着き、また常時監視システムの普及も進むとみられ、2030年も2013年と同等の850億円が予測される。

●EV充電スタンドの保全マネジメント関連市場

  

  2013年の市場は8億円とまだ小規模であるが、自動車メーカーによる共同支援の動きもあり、今後はEV充電スタンドの整備が進むとみられる。それに伴い、保全マネジメント関連市場の拡大が予測される。
  常時監視は、普通充電器、急速充電器を含めた充電器の稼働状況を把握するサービスである。現状は充電器設置台数が少ないため市場は小さいが、今後は設置増加に伴い、管理業務の効率化を目的に需要の拡大が想定される。充電スタンドメーカーに加えて、大手通信系システムインテグレータも参入しており、システム販売や複数のサービスメニュー、課金システムを含む充電管理を目的としたシステム開発など、多様な提案を行っている。今後は故障情報や稼動情報などのオンライン化による予防保全の進展と共に市場は拡大するとみられ、2030年は24億円が予測される。
  定期点検は、人的な点検サービスが主体である。利用者への各種サービスの拡充や充電器本体の故障状況の把握により、保守事業者の業務負担の軽減が可能となるため、今後は常時監視の需要が高まるとみられるものの、ケーブルなどの部品交換の必要性もあり、定期点検での人による予防保全も増加するとみられる。
<調査結果の概要>

■保全マネジメント関連市場

  

  公共構造物分野の市場は、2013年に2,012億円となった。特に高速道路と橋梁の規模が大きい。トンネルと橋梁は5年に一度の点検が義務付けられたことで、今後、人による定期点検の需要が増加するとみられる。また常時監視は、これまで公共構造物の維持管理に予算が当てられていなかったため、大きな市場とはなっていない。しかし、構造物の老朽化が広く認知されてきており、老朽インフラの増加や熟練点検作業者の減少などから、今後の市場拡大が期待される。
  電力インフラ分野の市場は、2013年に6,430億円となった。現状の大部分は定期点検である。品目別では火力発電設備の規模が大きく、8割以上を占める。風力発電設備と太陽光発電設備は現状の規模は大きくはないものの、今後の拡大が期待される。常時監視の需要はまだ小さいが、火力発電設備は、設備・装置メーカーが遠隔でタービンやボイラーの稼動監視を行うサービスが普及するとみられる。また、風力発電設備と太陽光発電設備は国内設置箇所の増加に伴い、常時監視の普及が期待される。
  生活・都市インフラ分野の市場は、2013年に2,602億円となり、その内、常時監視は43億円であり、定期点検が大半となっている。中でも鉄道車両の割合が5割以上を占めている。ただし、鉄道車両の定期点検は検査装置のハイテク化による検査時間の短縮や修理の効率化、また車両数の減少により、今後は縮小するとみられる。配電線は現状、常時監視の対応は進んでいないが、電線、変圧器の劣化や機器容量を常時監視することで、故障の兆候、人為的ミスの早期発見が可能となるため、2030年には普及が期待される。
  エネルギー供給・産業インフラ分野の市場は、2013年に1,882億円となった。EV充電スタンド、FCV水素スタンドの設置台数の増加に伴い、2030年には2,212億円が予測される。常時監視は、現状では小規模であるものの、EV充電スタンドやFCV水素スタンドの保全管理、利用者ニーズの把握やスタンド設置駐車場の管理業務の効率化を目的に需要が拡大するとみられる。
  ビル・商業施設関連設備分野の市場は、2013年に9,241億円となった。エレベータと自動販売機がそれぞれ3,000億円を超える市場となっている。常時監視の導入が進んでいる分野であり、2013年は2,468億円となった。点検やメンテナンスの効率化を目的に今後も拡大が期待される。空調設備は、メンテナンスフリー対応が進んでおり、保全目的のみでは需要を喚起しにくいため、サービス事業者側ではエネルギー計測の提案など新サービスの創出を進めている。
<調査対象>

  
<調査方法>
  富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
  2014年4~7月
以上
  資料タイトル  :「インフラ・設備機器保全マネジメント関連市場の現状と将来展望  2014」
  体裁          :A4判  226頁
  価格          :書籍版  130,000円+税
                    PDF版  130,000円+税
                    書籍版・PDF版セット  150,000円+税
  調査・編集    :株式会社富士経済  大阪マーケティング本部  第二事業部
                  TEL:06-6228-2020  FAX:06-6228-2030
  発行所        :株式会社富士経済
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(株)富士経済

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