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大林組、太陽光発電外装システムを開発し大林組技術研究所の新実験施設に適用

オフグリッド(独立)型太陽光発電外装システムを開発
省エネ窓システムをパッケージ化し大林組技術研究所に適用
  株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、太陽光発電外装システムを開発し、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の新実験施設「オープンラボ-2」に適用しました。外装カーテンウォールと一体化した太陽電池による発電電力を、建物内の送電網に接続することなく、直接、外装の省エネ窓システムに利用するオフグリッド型の発電システムです。

  東日本大震災を契機にエネルギー需給がひっ迫する中、エネルギー消費の削減が一層求められています。そのため再生可能エネルギーへの期待は極めて大きく、特に太陽光発電はビルや住宅で急速に普及しています。

  一般的に太陽光発電は、天候に左右され不安定なため、商用電源と接続して利用しますが、電力会社との事前協議が必要であることや、停電時には太陽光発電も停止してしまうため、特長の一つである非常電源としての機能が果たせないといった課題があります。加えて、屋上や屋根だけでなく建物外装にも太陽電池を設置したいというニーズはありましたが、意匠性を加味した太陽電池の導入コストは非常に高く、発電効率も低いため、商用電源に接続する利用法では十分な導入効果を得にくい状況でした。

  今回大林組は、外装ガラスカーテンウォールと一体化した太陽光発電外装システムを開発し、技術研究所内の新実験施設に初適用しました。限られた発電電力の有効活用に着目し、商用電源と接続せず、ロールスクリーンの駆動や、省エネ窓システムに直接利用しており、省エネ技術をパッケージ化したオフグリッド型太陽光発電外装システムを実現しています。

  
  オフグリッド型太陽光発電外装システムの主な特長は以下のとおりです。

1.形状寸法の自由度が高い太陽電池を採用し外装ガラスカーテンウォールと一体化
  高発電効率および長寿命のシリコン結晶系の太陽電池を採用し、外装ガラスカーテンウォールと一体化しています。シリコン薄膜系など他の太陽電池は形状寸法などの制約があるため、外装で用いる際に支障となるケースがありますが、シリコン結晶系による合わせガラスタイプの太陽電池は、最小単位であるセルの組み合わせが自由で、建築用合わせガラスと同様に扱うことができるため、外装設計デザインに応じてリーズナブルに製作することができます。今回の太陽電池は庇状に設置していますので、眺望を妨げることもなく、夏期の日よけ効果としても機能します。

2.商用電源に頼らないオフグリッドタイプの太陽光発電制御システム

  

  今回の適用では、発電電力を充電コントローラーで制御しながら蓄電池に蓄電し、インバーターで交流に変換して、省エネ窓システムやロールスクリーンなどのモーター駆動に直接利用しています。このシステムはオフグリッドタイプであるため、BCP対策として非常時の照明や携帯電話の充電などに電力を融通すれば、災害時の機能維持といった特長をより活かすことも可能です。また、一定容量未満のオフグリッドタイプは、電力会社などとの事前協議が不要で法規制も受けませんので、比較的簡易に設置することができます。

3.独自開発の省エネ窓システムをパッケージ化
  適用に当たり、大林組が別途開発した省エネ窓システム「インターロック式換気システム」をパッケージ化しました。これは、夏期、日射によって暖められて上昇する窓近傍の高温空気を窓上部の回転ドラム型チャンバーに滞留させ、チャンバーの回転(屋内側開口を閉じて屋外側開口を開くインターロック制御)により屋外に排熱する、空調負荷低減に向けた大林組独自の換気システムです。日射の強いピーク時には、日射熱を約1割低減すると見込んでいます。

  夏期のみならず、中間期はチャンバー開口に加えて窓下部の換気口をすべて開けることで自然換気し、冬期はそれらを全閉して遮断するなど、年間を通じて適切な換気を行います。このシステムを「オフグリッド型太陽光発電外装システム」とパッケージ化することにより、商用電源を用いずに窓の省エネ性能を向上させます。さらに、カーテンウォールに結露を抑制する高断熱のアルミフレームを適用することで、高性能な独立型省エネシステムとなっています。
  大林組は、今後事務所ビルや商業施設などの建物外装にも太陽光発電技術や省エネシステムを積極的に提案し、低炭素社会の実現に貢献していきます。

  
以上

(株)大林組

http://www.obayashi.co.jp/

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