トップページ  ▶建設業法【目次】  ▶第5章 監督
【指示及び営業の停止】
第28条
国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が次の各号のいずれかに該当する場合又はこの法律の規定(第19条の3、第19条の4及び第24条の3から第24条の5までを除き、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号。以下「入札契約適正化法」という。)第13条第3項の規定により読み替えて適用される第24条の7第4項を含む。第4項において同じ。)若しくは入札契約適正化法第13条第1項若しくは第2項の規定に違反した場合においては、当該建設業者に対して、必要な指示をすることができる。特定建設業者が第41条第2項又は第3項の規定による勧告に従わない場合において必要があると認めるときも、同様とする。
  • 建設業者が建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。
  • 建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。
  • 建設業者(建設業者が法人であるときは、当該法人又はその役員)又は政令で定める使用人かその業務に関し他の法令(入札契約適正化法及びこれに基づく命令を除く。)に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。
  • 建設業者が第22条の規定に違反したとき。
  • 第26条第1項又は第2項に規定する主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるとき。
  • 建設業者が、第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき。
  • 建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したとき。
  • 建設業者が、情を知つて、第3項の規定により営業の停止を命ぜられている者又は第29条の4第1項の規定により営業を禁止されている者と当該停止され、又は禁止されている営業の範囲に係る下請契約を締結したとき。
2項
都道府県知事は、その管轄する区域内で建設工事を施工している第3条第1項の許可を受けないで建設業を営む者が次の各号の一に該当する場合においては、当該建設業を営む者に対して、必要な指示をすることができる。
  • 建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき。
  • 請負契約に関し著しく不誠実な行為をしたとき。
3項
国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第1項各号の一に該当するとき若しくは同項若しくは次項の規定による指示に従わないとき又は建設業を営む者が前項各号の一に該当するとき若しくは同項の規定による指示に従わないときは、その者に対し、1年以内の期間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
4項
都道府県知事は、国土交通大臣又は他の都道府県知事の許可を受けた建設業者で当該都道府県の区域内において営業を行うものが、当該都道府県の区域内における営業に関し、第1項各号のいずれかに該当する場合又はこの法律の規定若しくは入札契約適正化法第13条第1項若しくは第2項の規定に違反した場合においては、当該建設業者に対して、必要な指示をすることができる。
5項
都道府県知事は、国土交通大臣又は他の都道府県知事の許可を受けた建設業者で当該都道府県の区域内において営業を行うものが、当該都道府県の区域内における営業に関し、第1項各号の一に該当するとき又は同項若しくは前項の規定による指示に従わないときは、その者に対し、1年以内の期間を定めて、当該営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
6項
都道府県知事は、前2項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該建設業者が国土交通大臣の許可を受けたものであるときは国土交通大臣に報告し、当該建設業者が他の都道府県知事の許可を受けたものであるときは当該他の都道府県知事に通知しなければならない。
7項
国土交通大臣又は都道府県知事は、第1項第1号若しくは第3号に該当する建設業者又は第2項第1号に該当する第3条第1項の許可を受けないで建設業を営む者に対して指示をする場合において、特に必要があると認めるときは、注文者に対しても、適当な措置をとるべきことを勧告することができる。
【許可の取消し】
第29条
国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が次の各号の一に該当する時は、当該建設業者の許可を取り消さなければならない。
  • 一般建設業の許可を受けた建設業者にあつては第7条第1号又は第2号、特定建設業者にあつては同条第1号又は第15条第2号に掲げる基準を満たさなくなつた場合
  • 第8条第1号又は第7号から第11号まで(第17条において準用する場合を含む。)のいずれかに該当するに至つた場合
    2.の2
    第9条第1項各号(第17条において準用する場合を含む。)の一に該当する場合において一般建設業の許可又は特定建設業の許可を受けないとき。
  • 許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合
  • 第12条各号(第17条において準用する場合を含む。)の一に該当するに至つた場合
  • 不正の手段により第3条第1項の許可(同条第3項の許可の更新を含む。)を受けた場合
  • 前条第1項各号の一に該当し情状特に重い場合又は同条第3項又は第5項の規定による営業の停止の処分に違反した場合
2項
国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第3条の2第1項の規定により付された条件に違反したときは、当該建設業者の許可を取り消すことができる。
第29条の2
国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は建設業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在をいい、個人である場合においては、その支配人の所在を含むものとする。)を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該建設業者から申出がないときは、当該建設業者の許可を取り消すことができる。
2項
前項の規定による処分については、行政手続法第3章の規定は、適用しない。
【許可の取消し等の場合における建設工事の措置】
第29条の3
第3条第3項の規定により建設業の許可がその効力を失つた場合にあつては当該許可に係る建設業者であつた者又はその一般承継人は、第28条第2項若しくは第5項の規定により営業の停止を命ぜられた場合又は前2条の規定により建設業の許可を取り消された場合にあつては受該処分を受けた者又はその一般承継人は、許可がその効力を失う前又は当該処分を受ける前に締結された請負契約に係る建設工事に限り施工することができる。この場合において、これらの者は、許可がその効力を失つた後又は当該処分を受けた後、2週間以内に、その旨を当該建設工事の注文者に通知しなければならない。
2項
特定建設業者であつた者又はその一般承継人若しくは特定建設業者の一般承継人が前項の規定により建設工事を施工する場合においては、第16条の規定は、適用しない。
3項
国土交通大臣又は都道府県知事は、第1項の規定にかかわらず、公益上必要があると認めるときは、当該建設工事の施工の差止めを命ずることができる。
4項
第1項の規定により建設工事を施工する者で建設業者であつたもの又はその一般承継人は、当該建設工事を完成する目的の範囲内においては、建設業者とみなす。
5項
建設工事の注文者は、第1項の規定により通知を受けた日又は同項に規定する許可がその効力を失つたこと、若しくは処分があつたことを知つた日から30日以内に限り、その建設工事の請負契約を解除することができる。
【営業の禁止】
第29条の4
国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業者その他の建設業を営む者に対して第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ずる場合においては、その者が法人であるときはその役員及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前60日以内においてその役員又はその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、個人であるときはその者及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人(当該処分の日前60日以内においてその政令で定める使用人であつた者を含む。次項において同じ。)に対して、当該停止を命ずる範囲の営業について、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、新たに営業を開始すること(当該停止を命ずる範囲の営業をその目的とする法人の役員になることを含む。)を禁止しなければならない。
2項
国土交通大臣又は都道府県知事は、第29条第1項第5号又は第6号に該当することにより建設業者の許可を取り消す場合においては、当該建設業者が法人であるときはその役員及び当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、個人であるときは当該処分の原因である事実について相当の責任を有する政令で定める使用人に対して、当該取消しに係る建設業について、5年間、新たに営業(第3条第1項ただし書の政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うものを除く。)を開始することを禁止しなければならない。
【監督処分の公告等】
第29条の5
国土交通大臣又は都道府県知事は、第28条第3項若しくは第5項、第29条又は第29条の2第1項の規定による処分をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
2項
国土交通省及び都道府県に、それぞれ建設業者監督処分簿を備える。
3項
国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第28条第1項若しくは第4項の規定による指示又は同条第3項若しくは第5項の規定による営業停止の命令を受けたときは、建設業者監督処分簿に、当該処分の年月日及び内容その他国土交通省令で定める事項を登載しなければならない。
4項
建設業者監督処分簿は、第13条(第17条において準用する場合を含む。)に規定する閲覧所において公衆の閲覧に供しなければならない。
【不正事実の申告】
第30条
建設業者に第28条第1項各号の一に該当する事実があるときは、その利害関係人は、当該建設業者が許可を受けた国土交通大臣若しくは都道府県知事又は営業としてその建設工事の行われる区域を管轄する都道府県知事に対し、その事実を申告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2項
第3条第1項の許可を受けないで建設業を営む者に第28条第2項各号の一に該当する事実があるときは、その利害関係人は、当該建設業を営む者が当該建設工事を施工している地を管轄する都道府県知事に対し、その事実を申告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
【報告及び検査】
第31条
国土交通大臣は、建設業を営むすべての者に対して、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で建設業を営む者に対して、特に必要があると認めるときは、その業務、財産若しくは工事施工の状況につき、必要な報告を徴し、又は当該職員をして営業所その他営業に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2項
当該職員は、前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
3項
当該職員の資格に関し必要な事項は、政令で定める。
【参考人の意見聴取】
第32条
第29条の規定による許可の取消しに係る聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、参考与人の意見を聴かなければならない。
2項
前項の規定は、国土交通大臣又は都道府県知事が第28条第1項から第5項まで又は第29条の4第1項若しくは第2項の規定による処分に係る弁明の機会の付与を行う場合について準用する。