B1等級まで範囲拡大 大阪府住宅まちづくり部はこのほど、「2009年度公共建築室総合評価落札方式実施ガイドライン」を策定し た。昨年1月、総合評価方式に係る入札契約業務の取扱い方針について策定した試行ガイドラインの試行実 施を踏まえ、内容を一部見直して策定されたもので、総合評価方式の適用工事の拡大や技術審査型の簡素化 と時間短縮などが主な変更点となっている。一部を除き2月から適用を開始している。 公共建築室が採用する総合評価方式は、技術的工夫の余地が比較的大きな場合など、一定規模以上の建築一 式工事と電気工事、管工事に適用されれ、このうち建築一式工事は、試行ガイドラインでは工事金額6億円 以上としていたものを3億5千万円以上に、電気・管工事では同2億円以上を1億円以上に対象を拡大。 評価方式では、工事の特性等に応じて「技術審査型」と「技術提案型」の2つのタイプのいづれかを採用。 技術審査型は、技術的工夫の余地が小さな工事において施工の確実性と価格を総合的に評価。評価にあたっ ては、簡易な施工計画(電気・管工事は除く)や企業の施工能力、配置予定監理技術者の能力を求める。技 術提案型は、技術的工夫の余地が大きく、技術提案による工事品質の向上と価格を総合的に評価。評価で は、企業の施工能力と配置予定監理技術者の能力と併せ、特定の課題についての施工上の工夫等の技術提案 を求めるもの。 適用範囲は、府営住宅新築工事でのB1等級からAA等級までと国際入札(WTOルール)対象工事までを 技術審査型で、それ以外の工事では、技術提案型か技術審査型を適用する。 評価項目では、技術審査型で標準となる評価項目と評価基準、配点等を定め、技術提案型は当該工事の特性 等により、個別の評価項目や基準、配点等を定めるとしている。具体的に技術審査型では、公共建築室が示 した設計図書に対応した簡易な施工計画として、工程管理(工程表)を求めて評価(電気・管工事除く)。 技術評価点は、入札参加資格を満たし、かつ、簡易な施工計画の内容が適切と評価された場合に「基礎点」 として100点を配点、内容が不適切であれば5点以内で減点。企業の施工能力、配置予定監理技術者の能力評 価は「加算点」として5点が配点される。 技術提案型では、提示された設計図書に基づき算出した予定価格の範囲内で、特定の課題について施工上の 課題に対する施工上の工夫等の技術提案を求め、「技術評価点」として参加要件を満たしていれば基礎点で 100点、工事成績を含む施工能力と配置予定技術者の能力と併せて加算点30点以内で配点する。なお、WTO 案件は工事成績点は含まない。また、技術提案の評価項目としては、ライフサイクルコストなどの総合的な コスト縮減に関する技術提案、工事目的物の性能や機能向上に関するもの、環境保持や特別な安全対策な ど、社会的要請への対応に関するものなどが上げられる。 落札者を決定する算定方法は、基礎点と加算点の合計得点である技術評価点を入札価格で割る除算方式によ り総合評価点(評価値)を算出し、一番高い得点を獲得した者を落札者とする。総合評価の審査は、住宅ま ちづくり部競争入札審査会建築部会が行うが、技術審査や技術提案に関して場合によっては、開札前に総合 評価委員会に諮ることとしている。 実施については、B1等級の工事は4月1日以降に公告する工事から、それ以外は2月から適用している。