窓口業務など外部委託に、早ければ来年1月にも 公共サービスの民間開放へ向け、大阪版市場化テストを実施している大阪府では、対象業務である「建設業 許可申請の受付業務等」について先頃提案公募を行い、このほど、市場化テスト監理委員会が応募提案と担 当課改革案との比較検討を行った結果、担当課の改革案を支持するとともに、改革案で示された範囲内にお いて部分的に民間委託とする方向性を打ち出した。 提案公募は、建設業許可と経営事項審査等の各申請受付に係る業務を対象に、申請窓口での形式チェックや 申請者への補正連絡、建設情報管理システムへの申請内容入力、許可台帳等の作成、通知書類発送、書類作 成に関する電話相談や閲覧への対応などについてを求めた。 提案応募では、1月9日から2月5日までに受付けたところ、大阪府行政書士会からの1件の応募があり、 同会の提案を大阪版市場化テスト監理委員会で、提案内容の確認と官側の提案として担当課である建築振興 課が提出した業務改革案との官民比較等を行ったもの。 評価では、サービス水準の維持や個人情報保護、目的達成で重視すべき事項などの「基礎評価」、現在の手 法より優れている点や具体の実施方法などの「サービスの質の向上」、人件費や事業経費の削減効果である 「コストの削減」、組織運営体制や類似業務実績など「提案の実現可能性」の四項目について比較審議され た。評価で特に重要とされた項目のうち、サービスの質の向上で、振興課の改革案では、申請別窓口の一元 化とブースの増設、受付時間と窓口相談の時間拡大、書類のホームページからのダウンロードなど、申請書 類作成に関する情報・ツールの提供などを提案。 具体的な効果では、体制の充実により申請窓口での待ち時間を最大3時間から1時間以内に、窓口相談での 最大待ち時間2時間を30分以内と見込み、これにより1日あたりの処理件数も、窓口相談で約20件から約30 件、電話相談では約120件から約160件までの対応が可能とした。また、コスト削減では、効率性の観点から 改革案に基づき、公募した範囲内で部分的に民間委託することを前提にコスト見積もりを行い、現状のコス トより削減が見込まれることを確認した。 その結果、振興課が先に業務改革案や当該業務の現状における課題・問題点を示したことは「画期的なこ と」とし、改革の視点や体制、期待される効果などで具体的な手法が示され、四項目の総合評価で、担当課 の改革案を支持するとし、公募提案の範囲内で部分的に民間委託を行うとしたもの。改革案で示された民間 委託部分は、窓口業務や書類の形式チェックなど。この部分については、既に行政書士会が委託業務として 請負っているため、それら業務の拡充として提案していた。 民間委託の実施時期については、サービスの向上を早期に実現する観点から、来年度中に民間事業者へ委託 して事業を開始することとしているが、7月の議会決議を得て、プロポーザル方式か総合評価方式などによ る公募で委託先選定を行い、選定後の習熟期間を経て、早ければ来年1月頃からの実施となる見込み。