千里佐竹台住宅と東大阪市新上小阪住宅 大阪府がPFI事業として実施する府営住宅民活プロジェクトの「千里佐竹 台住宅(2丁目)」と、「東大阪新上小阪住宅」の最優秀提案者に、大和ハ ウスグループと中道組グループが決定した。入札は、総合評価一般競争入札 (WTOルール)で8月に七グループが参加して行われたもので、今後、活 用用地の対価についての審査を行い、今月末に落札者を決定する。 最優秀提案者となったのは、千里佐竹台が大和ハウスを代表企業にアール・ アイ・エー大阪支社、紙谷工務店、ダイワサービス、日本住宅流通のグルー プ、東大阪新上小阪は、中道組とアイ・エフ建築設計研究所、大阪ホーム販 売、コーナン建設、澁谷建築コンサルタント事務所で構成するグループ。 両事業とも、府営住宅の建替とPFI事業者が自ら活用用地を取得して事業 を行うもの。府営住宅は建設後に所有権を府に移転するBT方式。業務範囲 は、建替住宅に係る府営住宅整備業務と付帯事業としての用地活用業務で、 千里佐竹台では、同住宅と千里高野台住宅の入居者移転に係る移転支援業務 が加わる。
千里佐竹台住宅(2丁目)は、事業用地を2工区に分け、第1工区では既存住宅八棟・266戸、第2工区では 同4棟・104戸を解体撤去し、それぞれ建替住宅285戸と220戸の合計550戸を整備する。東大阪新上小阪住宅 は、既設の第1期と建設中の第2期を除く第3期エリアで既存住宅23棟・177戸の解体撤去と、建替住宅181 戸を、既設住棟との一体性を考慮しながら整備。これら建替住宅は、いずれも10階建て以下とし複数棟でも 可とした。また活用用地は、千里佐竹台は第1工区で実施、東大阪新上小阪では、良質な住宅や地域活性化 につながる施設などとして、共同住宅では10階建て以下、戸建住宅は1戸あたりの敷地面積を100?以上とし た。 8月に行われた入札は、千里佐竹台が予定価格72億953万2千円で五グループ、東大阪は予定価格30億7,734 万2千円で2グループが参加。審査は、「府営住宅建替事業における民間活力の活用委員会」が落札者決定 基準に基づき、建替整備等の対価に関する定量的事項と事業計画等の定性的事項により各グループの提案を 審査し、最優秀提案者を決定したもの。 大和ハウスグループの提案は、第1工区(敷地面積1万1,540?)にRC造10階建て2棟、第2工区(同1万 1,666.45?)にRC造10階建てと5階建て各1棟を整備し、活用用地にRC造13階建ての分譲マンションを 計画。審査では「建替住宅内で見通しを確保し安全性を確保、移転支援での対応や高齢者への配慮」が評価 された。 中道組グループでは、建替住宅としてRC造10階建てを整備し、活用用地では戸建住宅を計画、「住棟の配 置による景観の化、住民コミュニティの核となる公園計画」が評価された。 両提案について府では今後、「活用用地の対価」の適正審査が必要として引き続き審査を行い、10月末には 落札者を決定。11月に仮契約を締結し、議会議決を経て12月に本契約が成立する。 千里佐竹台では、2009年3月に活用用地を譲渡、2010年8月までに第1工区の建替住宅の所有権を移転し、 引渡して同10月末には本移転を完了、第2工区は2012年9月末には移転・引渡しする。東大阪新上小阪で は、2008年9月頃に活用用地を譲渡、2011年度には府営住宅の共用を開始する予定。