約40人が参加 施工は錢高・真柄・松井JV (社)建築業協会関西支部(淺沼健一支部長)では、会員を対象とした現場見 学会を27日、滋賀県大津市で錢高・真柄・松井JVが施工中の「滋賀県警察本 部庁舎新築工事」作業所で開催した。同支部技術専門委員会(山内博記委員 長)の主催によるもので、見学会には会員各社の代表ら約40人が参加した。 この工事は、大津市打出浜1−10の敷地1万0.444?に、SRC造1部S・R C造地下2階地上10階建て塔屋二階、建築面積約2,228?、延床面積約2万 6,933?の警察庁舎と付属施設として車庫棟を建設するもの。日本設計の設計 監理により、2005年10月から工事が行われている。 見学会では、初めに山内委員長が、「工事は現在、基礎掘削工事の最中であ り、湧水対策をはじめとした現場のノウハウを見てほしい」と挨拶、また錢高 JVの渡部英巳統括所長も、「作業を見学して何かひとつでも身に付けて帰っ ていただければ」と、見学会の成果に期待を寄せた。
次いで、工事と作業概要の説明を受けた後、渡部所長とJVスタッフの案内で作業所内を見て回った。現在行 われている工事は、第五次の掘削工事で、掘削は最大はGL約17mまで実施、このうち約14mの部分では捨コ ンクリートの打設が完了している。掘削では現場地盤が埋立地であり、軟弱なため、山留工事がひとつのポイ ントとなった。 山留工事では、山留壁にSMW工法と掘削土再利用連壁(CRM)工法の2つを採用して4段水平切梁を構 築。2つの工法の採用は、敷地地盤に遮水層が琵琶湖側に沿って傾斜して横たわっていることから遮水層を境 にして、GL40mまでをSMWで、40mから49mをCRMと使い分けたもの。 掘削工事は現在、最終段階を迎えている。このほか工事では、3m掘れば琵琶湖水位下となることから、ディ ープウェルでは自由水と気圧水の各4か所で日量300トンの湧水を汲み上げた。見学では、2つの山留壁や掘 削などの作業をつぶさに見て回った。 今後、基礎工事を終えて今秋には地上躯体工事に着手する予定。なお、これまで約15万7,500時間に及ぶ無事 故・無災害記録を継続中。 この庁舎は、既存庁舎の老朽化等を解消するとともに、琵琶湖西岸断層帯地震をはじめとする大規模災害時に 対応する警察活動の拠点として危機管理機能を備えたものとして計画された。地震対策では、地階に免震装 置、屋上ヘリポートによる制震装置を配置。 また、自然換気が可能なダブルスキンカーテンウォールや太陽光発電、コージェネレーションシステムなどを 採用して、エネルギー消費量15%削減を目指すなど環境に配慮した取り組みを推進している。